EC事業で起こりやすい資金繰り悪化の原因について、在庫・広告・決済タイミングの観点から解説します。
EC事業では、「売上は伸びているのに、なぜか資金繰りが苦しい」というケースが少なくありません。Shopify・楽天・Amazon・自社ECなどを運営している会社では、特に注意が必要です。
よくある原因
1. 在庫が先に増える
ECでは、売上が伸びる前に在庫投資が必要になります。お金を先に使い、後から売上として回収するという構造です。売上が急増する時期ほど、在庫調達のための資金が先行して出ていきます。
2. 広告費が先行する
TikTok広告・Instagram広告・Meta広告などは、先に支払いが発生します。一方で、広告経由の売上回収は後になります。広告投資を拡大するほど、回収までのキャッシュギャップが広がりやすくなります。
3. 入金タイミングが遅い
ECモールや決済サービスでは、月末締め・翌月入金など、入金までタイムラグがあります。売上が立っているのに手元資金が増えない原因の一つがこのタイミングのずれです。
4. 利益とキャッシュは違う
会計上利益が出ていても、在庫・広告費・借入返済・設備投資などによって、現金が減るケースがあります。「黒字倒産」という言葉がありますが、ECでは利益とキャッシュの乖離が特に起きやすい構造です。
EC事業で重要な管理
在庫管理
在庫を増やしすぎると、資金繰りが悪化しやすくなります。売上の伸びに合わせて在庫水準を適切にコントロールすることが、資金繰り安定の鍵になります。
月次管理
売上だけでなく、粗利・広告費・在庫・キャッシュ残高を毎月確認することが重要です。数字を追う習慣がないと、資金繰り悪化に気づくのが遅くなります。
バックオフィス整備
ECは、売上が伸びるほど管理が複雑になります。決済管理・在庫管理・会計処理などを早めに整備しておくことで、成長期に慌てずに済みます。
まとめ
EC事業では、「売上成長」だけを見ると危険です。重要なのは、「利益とキャッシュの両方を見ること」です。
特に成長期ほど、月次管理と資金繰り管理が重要になります。EC事業の経理・資金繰り管理についてお気軽にご相談ください。
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執筆者
萩原裕司
公認会計士・税理士