管理体制改善事例

【想定モデルケース】成長期に黒字でも資金が不足した介護法人の資金繰り改善

事業拡大の途中で、黒字なのに手元資金が細っていた介護法人が、資金繰り表と数か月先の見通しを整えて資金不足を回避した想定モデルケースです。成長期に黒字倒産リスクが生まれる理由を実務目線で解説します。

※本記事は、当事務所が支援する典型的な状況をもとに構成した想定モデルケースです。特定の実在する顧客の事例ではありません。数値も説明のための想定値です。

1. 想定モデルケース概要

  • 事業形態:複数サービスを運営し、拠点を拡大中の介護法人
  • 規模:年商 約3億円、成長期
  • 当時の状態:損益は黒字だが、手元資金が徐々に細っていた
  • 支援テーマ:資金繰り表の整備と数か月先の資金見通し

利益は出ているのに通帳の残高が減っていく——成長期の介護法人で起きやすい状態を想定したモデルケースです。


2. 当時の課題

  • 黒字なのに手元資金が減っており、理由を数字で説明できない
  • 資金繰り表がなく、いつ資金が薄くなるか分からない
  • 拠点の立ち上げ費用と先行人件費が、資金を圧迫していた
  • 賞与・納税の山が来るたびに、その場で資金を心配していた

「儲かっているはずなのに、お金がない」という感覚が続いていました。これは黒字でも資金が減る理由で整理した典型パターンです。


3. なぜ問題が起きていたか

  • 介護報酬は提供月から入金まで約2か月のずれがある
  • 拡大中の拠点は、収入が立ち上がる前に支出が先行する
  • 利益(損益)と現金の動きを別物として把握できていなかった
  • 数か月先の資金を見通す仕組みがなかった

入金サイクルと資金の関係は介護報酬の入金サイクルと資金繰りで整理しています。


4. 実施した改善内容

  • 月次で資金繰り表を作成し、入金と支出の時期を見える化
  • 介護報酬の入金サイクルを踏まえ、3〜6か月先まで資金残高を予測
  • 賞与・納税・拠点立ち上げ費用などの山を、先に書き込む
  • 資金が薄くなる月を事前に特定し、借入や支出時期を調整

資金繰り表の必要性は資金繰り表はなぜ必要?、運転資金の考え方は運転資金の考え方に沿いました。


5. 改善後の状態

  • 数か月先まで資金残高の見通しが立つようになった
  • 資金が薄くなる月を事前に把握し、前もって手を打てるようになった
  • 黒字と現金のずれを、数字で説明できるようになった
  • 拡大ペースと資金の見通しを、両立して判断できるようになった

6. 経営上の効果

  • 「お金がない」という不安が、見通しに基づく計画に変わった
  • 借入のタイミングを、追い込まれる前に検討できるようになった
  • 拠点拡大の判断を、資金の裏付けとあわせて行えるようになった

資金繰り悪化の兆候は資金繰り悪化の初期サインも参考になります。


7. このような法人に向いています

  • 黒字なのに手元資金が減っていると感じている介護法人
  • 拠点を拡大中で、先行支出が資金を圧迫している法人
  • 数か月先の資金を見通せていない法人

資金繰り・キャッシュフローの支援は介護事業の数字が見える経営支援(/kaigo)、管理体制づくりは月次決算・経営改善支援(/management)をご覧ください。


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9. 関連FAQ

よくある質問

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執筆者

萩原裕司

公認会計士・税理士