事業所ごとに経理のやり方がバラバラで月次が遅れていた複数事業所の介護法人が、フローの標準化と拠点別の数字の見える化で翌月20日完成に切り替えた想定モデルケースです。拠点が増えても崩れない仕組みづくりを解説します。
※本記事は、当事務所が支援する典型的な状況をもとに構成した想定モデルケースです。特定の実在する顧客の事例ではありません。数値も説明のための想定値です。
1. 想定モデルケース概要
- 事業形態:デイサービス・訪問介護など複数事業所を運営する法人
- 規模:年商 約3億円、4〜5拠点
- 当時の状態:拠点ごとに経理のやり方が異なり、月次が翌月末〜翌々月
- 支援テーマ:月次決算の標準化と早期化(翌々月 → 翌月20日)
拠点を増やしながら成長してきた法人で、各事業所が立ち上げ当時のやり方のまま経理を回している状態を想定したモデルケースです。
2. 当時の課題
- 拠点ごとに経費提出のタイミング・様式が違い、全体の締めが遅い
- 一番遅い拠点に合わせる形になり、月次が翌々月までずれ込む
- 全体の試算表は出るが、拠点別の損益が見えない
- どの事業所が利益を出し、どこが赤字かを数字で説明できない
「全体では黒字だが、内訳が分からない」という、複数拠点で起きやすい状態でした。
3. なぜ問題が起きていたか
- 事業所の立ち上げごとに、その場のやり方で経理フローが作られていた
- 共通の締め日・提出フォーマットがなく、属人化が拠点ごとに発生していた
- 会計の部門設定が整理されておらず、拠点別に集計できない
- 経理担当が拠点間で分断され、全体最適の視点が持てていなかった
バックオフィスが拠点ごとにバラバラになる構造はバックオフィス仕組み化|属人化しない経理フローの作り方で整理した課題と重なります。
4. 実施した改善内容
- 全拠点で締め日・提出フォーマットを統一(経費・勤怠・資料提出)
- 会計の部門(拠点)設定を整理し、拠点別に集計できる形に
- クラウド会計の連携を全拠点で揃え、入力フローを共通化
- 未収金・給与の処理手順を文書化し、拠点をまたいで同じ手順に
- 月次は「翌月12日提出・20日完成」で全社のスケジュールを再設定
拠点別の数字の出し方は複数施設・複数事業所の損益管理の考え方に沿いました。
5. 改善後の状態
- 月次が翌月20日前後に安定して完成
- 拠点別の損益が毎月見えるようになった
- どの事業所が稼ぎ、どこが課題かを数字で把握できる
- 拠点が1つ増えても、同じフローに乗せるだけで回る
「拠点を増やすほど数字が見えなくなる」状態から、「増えても崩れない」仕組みに変わったのが要点です。
6. 経営上の効果
- 赤字拠点を早期に特定し、てこ入れか縮小かを判断できる
- 拠点別の人件費率・稼働率を比較し、良い拠点のやり方を横展開できる
- 新規出店の採算見込みを、既存拠点の実績数字で検討できる
数字が「全体」から「拠点別」になることで、経営会議の議論が具体的になります。
7. このような法人に向いています
- 事業所を増やしてきたが、拠点別の数字が見えていない法人
- 月次が一番遅い拠点に引っ張られている法人
- これから出店・増床を検討しており、判断材料がほしい法人
複数拠点の経営支援は介護事業の数字が見える経営支援(/kaigo)、管理体制の整備は月次決算・経営改善支援(/management)をご覧ください。
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9. 関連FAQ
よくある質問
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執筆者
萩原裕司
公認会計士・税理士